19 スクラム
- 競技をスクラムで再開する場所、および、どちらのチームがボールを投入するのかは、以下のように決定される:
- スクラムは、レフリーが示したマークにあるスクラムゾーンの中で形成される。
- レフリーは、ゴールラインと平行に伸びるスクラムの中心線を作るマークを示す。
- 両チームは、マークが示されてから30秒以内にスクラムを形成する準備をしなければならない。 罰:フリーキック
- 両チームに15名いる場合、図に示したようなフォーメーションで各チーム8名がバインドする。各チームとも、フロントローにプロップ2名、フッカー1名、セカンドローにロック2名がいなくてはならない。最後に各チームのバックロープレーヤー3名が入りスクラムが完成する。 罰:ペナルティ
- 何らかの理由により、一方のチームが15名より少ない人数になってしまった場合は、スクラムにおける各チームの人数も同様に少なくなる。一方のチームが認められた上で人数を減らした場合、もう一方のチームも同様に減らす必要はない。ただし、どちらのチームもスクラムの人数が5名以下になってはならない。
- スクラムの中のプレーヤーは、以下のやり方でバインドする:
- プロップは、フッカーにバインドする。
- フッカーは、両腕でバインドする。両側にいるプロップの腕の上からでも下からでもよい。
- ロックは、自分の目の前にいるプロップ、および、ロック同士でバインドする。
- スクラムの中にいるその他のプレーヤーは、少なくとも片方の腕を使ってロックの体にバインドする。
- 2つの集団が、中心線の両側から、中心線と平行に、向かい合う。
- 双方のフロントローが、腕の長さより遠く離れないように立ち、フッカーはマークの位置。
- 両チームとも、まっすぐ、安定して、動かなくなったら、レフリーが「クラウチ」とコールする。
- その後、フロントローは、まだクラウチの姿勢をとっていなければとる。頭と肩を腰よりも低くせず、スクラムの間ずっと維持できる姿勢。
- フロントローは、クラウチして、頭は自分の目の前の相手の左側に付けて、どのプレーヤーの頭も相手プレーヤーの首または肩に触れないようにする。
- 両チームとも、まっすぐ、安定して、動かなくなったら、レフリーが「バインド」とコールする。
- 各ルースヘッドプロップは、相手側のタイトヘッドプロップの右腕の内側に自分の左腕を置いてバインドする。
- 各タイトヘッドプロップは、相手側のルースヘッドプロップの左上腕の外側に自分の右腕を置いてバインドする。
- 各プロップは、相手のジャージの背中か脇をつかんでバインドする。
- すべてのプレーヤーのバインドが、スクラムの間ずっと維持されるようにする。
- 両チームとも、まっすぐ、安定して、動かなくなったら、レフリーが「セット」とコールする。
- その上で初めて両チームが組み、スクラムの形成が完了し、ボールが投入されるトンネルができる。
- プレーヤーは必ず全員、位置について前へ押す準備ができているようにすること。
- 各フロントロープレーヤーは、両足を地面につけ、少なくとも片方の足に自分の体重をしっかりと乗せる。
- 各フッカーの足は、味方のプロップの一番前の足に沿って、または、その後ろになければならない。
- スクラムハーフは、スクラムのどちら側からボールを投入するか決める。
- スクラムハーフは、図のようにボールを持つ。
- 両チームとも、まっすぐ、安定して、動かなくなったら、スクラムハーフがボールを投入する。
- 選んだ側から
- トンネルの外から
- 遅延なく
- 1回だけ前へ出す動きで
- すばやく
- まっすぐ。スクラムハーフは、スクラムの中心線に自分の肩を合わせ、自分の肩幅の分だけスクラムの自陣よりに立ってよい。
- トンネルの中でまず地面に触れるように
- スクラムは、ボールがスクラムハーフの手から離れたら始まる。
- スクラムが始まって初めて、両チームが押してよい。 罰:フリーキック
- 相手を後方に押し戻してボールから離すことで、ボールが獲得できる。
- プレーヤーは、まっすぐ、かつ、地面と平行になら、押してよい。 罰:ペナルティ
- フロントロープレーヤーはボールを片脚で掻き取ってよいが、両脚を同時に使って掻き取ることはできない。 罰:フリーキック
- フロントロープレーヤーは、ボールがトンネルの中で地面に触れて初めて、ボールを掻き取ってよい。 罰:ペナルティ
- ボールを投入したチームのフッカーは、必ずボールに足を当てなければいけない。 罰:フリーキック
- フロントロープレーヤーは、ボールを故意に投入された方向からトンネルの外へと蹴り出してはならない。 罰:フリーキック
- スクラムの中にいるプレーヤーはボールをプレーできるが、自分の足か下腿のみとし、また、ボールを持ち上げてはならない。 罰:ペナルティ
- スクラムが崩れた、または、スクラムの中にいるプレーヤーが持ち上げられた、あるいは、スクラムの上に押し出されてしまった場合、レフリーはただちに笛を吹き、他のプレーヤー達が押すのを止める。
- スクラムが停止し、ボールがスクラムの後方に3~5秒間ある状態になった場合、レフリーは「ユーズイット」とコールする。チームは、ただちにボールをスクラムから出してプレーしなければならない。 罰:スクラム
- プレーヤーは、スクラムの間ずっとオンサイドの位置にとどまっている。
- スクラムの中でのプレーが始まるまで、ボールを投入しなかった側のチームのスクラムハーフが立つのは:
- 中心線を挟んで自チーム側で、相手のスクラムハーフの隣、または、
- スクラムに参加している自チームの最後尾のプレーヤーの足から少なくとも5メートル離れた地点に立ち、スクラムが終了するまでその位置にとどまる。
- スクラムの中でプレーが始まったら、ボールを保持しているチームのスクラムハーフは、少なくとも片足をボールの近く、または、後ろに置く。
- スクラムの中のプレーが始まったら、ボールを保持していないチームのスクラムハーフは:
- 両足をボールの後ろ、および、スクラムのそばに置いて位置につくが、フランカーとナンバーエイトの間のスペースではない、または、
- オフサイドライン上の地点で、自チームの最後尾の足地点まで後退して動かないか、
- 最後尾の足から少なくとも5メートル離れた地点まで後退して動かない。
- スクラムに参加していないプレーヤーは全員、自チームの最後尾のプレーヤーの足から少なくて主5メートル離れた位置にとどまる。
- 一方のチームの最後尾の足がインゴール、または、そのチームのゴールラインから5メートル以内にある場合、そのチームでスクラムに参加していないプレーヤーのオフサイドラインはゴールラインとなる。
- スクラムが終了したら、オフサイドラインはただちに適用されなくなる。
- 反則が見られないのにレフリーがプレーを止めてスクラムを組み直すのは、以下の場合である:
- スクラムハーフがボールを投入し、トンネルのどちらかの端から出てきてしまった。
- スクラムが崩れて、または、ばらばらになって、終了しない。
- スクラムが90度以上回転し、中心線がタッチラインに平行な位置を越えてしまった。
- どちらのチームもボールを獲得しない。
- ボールが故意にではなくトンネルの外へ蹴り出された。例外: ボールが繰り返し蹴り出され、レフリーが故意であると扱わなければならなくなった場合。 罰:ペナルティ
- スクラムが組み直されるときは、その前のスクラムでボールを投入したチームが引き続き投入する。
- スクラムが終了するのは:
- ボールが、スクラムからトンネル以外のいずれかの方向に出た場合。
- ボールが最後尾のプレーヤーの足に到達し、そのプレーヤーがボールを拾い上げた、または、そのチームのスクラムハーフによってプレーされた場合。
- ナンバーエイトがセカンドローの足元からボールを拾い上げた場合。
- 反則がありレフリーが笛を吹いた場合。
- スクラムの中にあるボールがゴールライン上に乗った、または、ゴールラインを越えた場合。
- スクラムにおける危険なプレーには、以下を含む:
- フロントローが相手にチャージする。
- 相手を引っ張る。
- 相手を故意に持ち上げて宙に浮かせる、または、スクラムから押し上げて出す。
- スクラムを故意に崩す。
- 故意に倒れる、または、膝をつく。
- スクラムで禁じられているその他の行為:
- ボールがスクラムから出たらすぐにボールの上に乗る、または、倒れ込む。
- スクラムハーフがまだスクラムの中にあるボールを蹴る。
- フロントローではないプレーヤーが、相手をつかむ、または、押す。
- 一度出たボールを、スクラムの中へ戻す。
- フロントローではないプレーヤーが、トンネルの中のボールをプレーする。
- スクラムハーフが、ボールがスクラムから出ていないのに、出てきたかのように相手に思わせることをする。
- 各協会は、その管轄内における特定のレベルの競技において、スクラムに関する19才未満の標準競技規則を実施することができる。
原則
スクラムの目的は、軽度の反則や競技の中断があった後に、ボール獲得のための争奪でプレーを再開することである。
反則/停止 | スクラムの位置 | ボールを投入する側 |
---|---|---|
ラインアウトにおけるものを除いた、ノックオン、または、スローフォワード | 反則の地点に最も近い場所にあるスクラムゾーンの中 | 反則をしていないチーム |
ラインアウトにおけるノックオン、または、スローフォワード; ラインアウトにおける正しくない投入; 正しくないクイックスロー | マークオブタッチから15メートル | 反則をしていないチーム |
オープンプレーにおけるオフサイド(スクラム選択) | 反則をしたチームが最後にボールをプレーした地点に最も近い場所にあるスクラムゾーンの中 | 反則をしていないチーム |
ペナルティ、または、フリーキック(スクラム選択) | 反則が起きた地点に最も近い場所にあるスクラムゾーンの中 | 反則をしていないチーム |
ボールが防御側のチームによってインゴールに持ち込まれデッドとなった | ボールがデッドになった地点に最も近い場所にあるスクラムゾーンの中 | 攻撃側のチーム |
アンプレアブルタックル、または、ラック | タックル、または、ラックが行われた地点に最も近い場所にあるスクラムゾーンの中 | 最後に前進したチーム。どちらのチームも前進していない場合、攻撃側のチーム |
正しく終了しなかったモール | モールが終了した地点に最も近い場所にあるスクラムゾーンの中 | モールの開始時にボールを保持していなかった側のチーム。どちらのチームがボールを保持していたかレフリーが判断できない場合は、モールが停止する前に前進していたチームとする。どちらのチームも前進していなかった場合は、攻撃側のチーム。 |
オープンプレーにおけるキックの後のアンプレアブルモール | モールの地点に最も近い場所にあるスクラムゾーンの中 | モールの開始時にボールを保持していたチーム |
正しくないキックオフ、または、試合再開のキック(スクラム選択) | ハーフウェイラインの中間地点、また試合再開のキックが22メートルドロップアウトの場合は、22メートルラインの中間地点 | ボールを蹴らなった側のチーム |
スクラム、ラック、または、モールにおける「ユーズイット」の不履行 | スクラム、ラック、または、モールが行われていた地点に最も近い場所にあるスクラムゾーンの中 | ボールを保持していなかった側のチーム |
ボール、または、ボールキャリアーがレフリーに触れ、どちらかのチームが利益を得た | その出来事に最も近い場所にあるスクラムゾーンの中 | ボールを最後にプレーしたチーム |
負傷による競技の停止 | ボールが最後にプレーされた場所にあるスクラムゾーンの中 | ボールを最後に保持していたチーム |
スクラムのやり直し – 反則はない | 最初のスクラムが行われた場所 | 最初にスクラムを与えられていたチーム |
制限時間内にペナルティキックが行われなかった | ペナルティが与えられたところから最も近い場所にあるスクラムゾーンの中 | 反則をしなかった側のチーム |
マークの後、1分以内に、プレーヤーがフリーキックを蹴ることができなかった | フリーキックが与えられたところから最も近い場所にあるスクラムゾーンの中 | フリーキックを与えられたプレーヤーのチーム |
レフリーが、競技規則に網羅されていない理由により、スクラムを与えた | 競技が停止されたところから最も近い場所にあるスクラムゾーンの中 | 最後に前進していたチーム、または、どちらのチームも前進していなかった場合は、攻撃側のチーム |
スクラムの形成


罰:ペナルティ
エンゲージメント

罰:フリーキック

罰:ペナルティ

罰:フリーキック
投入
罰:フリーキック

スクラムでのスローイン
スクラムの最中





スクラムにおけるオフサイド



罰:ペナルティ

スクラムにおけるオフサイド
スクラムの組み直し



スクラムの終了
スクラムにおける危険なプレー、および、制限



罰:ペナルティ
罰:ペナルティ
罰:フリーキック
スクラムの標準的変更内容